消費増税後の出荷入荷荷主動向は「計りかねる」 日通総研
日通総研は5日、ロジスティクスレポートNO.20「消費税増税が出荷量・入荷量に及ぼす影響に関する調査」を発表。10~12月期までは生産財、投資財を中心に、1~3月には消費財も駆け込み需要が発生するが、2014年度に入っての国内向け出荷量は、「現在のところ不透明な部分が多いが、出荷量が減少する可能性は否定できない」との回答が最も多く、荷主サイドも4~6月期以降の動向を計りかねている状況が浮き彫りになっている。
この調査は12月初旬に、荷主企業(製造業、卸売業)2500事業所を対象アンケートしたもので、1032事業所から回答を得ている。回収率は41.3%。
設問は、「国内向け出荷量の変化」「仕入れ量(入荷量)の変化」「14年度の国内向け出荷量の見通し」の3点で、出荷量の変化では、駆け込み需要により、「増加した」と回答した事業者数は13年4~6月期は31件、7~9月期は64件であったが、10~12月期には205件に急増、14年1~3月期では407件と約4割に達している。
業種別では、10~12月期までは化学・プラスチック、木材・家具、電気機械、その他の製造業、一般機械、輸送用機械、鉄鋼・非鉄など生産財や投資財を中心に駆け込み需要が発生しているものと推測され、1~3月期には、化学・プラスチック、その他の製造業、一般機械、電気機械、輸送用機械、食料品・飲料など、生産財や投資財に加えて、消費財も駆け込み需要が発生するものと見込まれる。
仕入れ量(入荷量)の変化については、13年上期に「増加」と回答した事業所は37件、下期は198件に増加するが、「とくに仕入れ量を増やす予定はない」が5割強を占め、「不明」が2割で続く。
14年度の国内向け出荷量の見通しは、「減少が見込まれる」と回答した事業所は68件と比較的少なく、今年度の出荷量と比較した減少率の見通しについては、10~20%の減少を見込む向きが多い。中には25%減、30%減と大幅な減少を予測している事業所もある。
また、「現在のところ不透明な部分が多いが、出荷量が減少する可能性は否定できない」が472件と多く、「出荷量の減少が見込まれる」と回答した事業所と合わせて半数以上の事業所が出荷量の減少を懸念している。
このほか、「駆け込み需要は発生していないので、出荷量は大きく変動しない見通し」が273件、「景気の好転などを受けて出荷量は増加が期待できる」が64件、「上期は出荷量減少の懸念があるが、下期には持ち直す見通し」が69件、「その他」(「輸出のウエイトが高いため影響は小さい」「公共事業関連のため、政府の方針次第」など)が12件となっている。