中期経営計画『DAN-TOTSU3か年計画STEP』策定、国内外の物流革新で16年度売上高1.5兆円目指す ヤマトHD
ヤマトホールディングス(木川眞社長)は22日、2016年度を最終年度とする中期経営計画「DAN―TOTSU3か年計画STEP」を発表した。
9ヵ年の長期経営計画の2期目となるもので、「バリュー・ネットワーキング」構想の推進と「健全な企業風土」の醸成を柱に、16年度の連結売上高1兆5500億円、営業利益900億円を目指す内容。
期間中に行っていく主な施策は、次のとおり。
【「バリュー・ネットワーキング」構想の推進】
◎多彩な高付加価値モデルの創出
デリバリーとノンデリバリーの横断的なグループ一体体制を強化するとともに、自治体等との連携による地域生活支援サービスの本格的な事業化を目指す。3年間で総額30億円の研究開発費の予算化、およびM&Aを積極的に推進する。
◎グローバル事業拡大
14年度稼働予定のヤマトグループ国際輸送一貫トレース機能を活用し、アジア各国をつなぐ高付加価値な物流網の構築を進める。ASEAN地域統括会社「ヤマトアジア」を中心に、ニーズが顕在化しつつある小口多頻度の調達・納品、国際保冷、国際通販などの物流ソリューションと域内の幹線輸送を組み合わせたグローバルなデマンドチェーンマネジメントという新市場を創出する。
また、15年までに国際クール宅急便のサービスエリアを台湾・シンガポールへ順次拡大する。
◎事業基盤の強化
ネットワークの革新など、物流施設や車両配備に3年間で総額約1200億円の投資を行い、16年の大都市間(関東・中部・関西圏)当日配達の実現に向け、15年までにトライアル輸送を開始。
またクロネコメール便については、新たに提案した「外形基準の導入による信書規制の改革」の実現に向け、引き続き働きかけを強化する。
【「健全な企業風土」の醸成】
◎グループ全体で社員教育や企業理念の浸透に全力をあげる。「お客様との約束を守る体制」をより強固にし、事業領域拡大に伴うリスクを低減するために、ガバナンス強化とIT基盤の強化、確立に努める。
IT基盤の強化については、16年度までに次世代情報システムを構築。グループ全体で荷物の流動量や集配エリアの「見える化」を推進し、荷物の総量予測に基づく、集配改革と的確な体制整備による品質の維持、向上を図っていく。
これらの施策により、最終年度の16年度の目標数値を次のとおり設定した。
◎連結売上高=1兆5500億円(13年度見込額対比15.2%増)
◎連結営業利益=900億円(同26.7%増)
◎連結営業利益率=5・8%(同0.6ポイント増)
◎株主資本利益率(ROE)=9.0%超(12年度末は6.7%)
◎国内宅急便取扱個数=18億2千万個(12年度実績対比22.3%増)
また、事業別の16年度目標数値は、次のとおり。
◎デリバリー事業(非連結含む)=売上高1兆2700億円、営業利益490億円
◎BIZ―ロジ事業(非連結含む)=売上高1600億円、営業利益90億円
◎ホームコンビニエンス事業=売上高800億円、営業利益15億円
◎e―ビジネス事業=売上高1100億円、営業利益140億円
◎フィナンシャル事業=売上高850億円、営業利益130億円
◎トラックメンテナンス事業=売上高800億円、営業利益50億円
◎その他=売上高450億円、営業利益15億円