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2014年1月20日付 2504号

運送契約書面化推進へガイドラインなど制定、4月1日から公布  国交省

 適正取引推進でトラックの安全阻害行為を防止へ―。
 
 国土交通省は、トラック運送業での適正取引や安全運行の確保を目的とした貨物自動車運送事業輸送安全規則の改正、「トラック運送業における書面化推進ガイドライン」の制定、標準運送約款の改正などについて、あさって22日に公布、4月1日に施行することを決めた。

 トラック運送業では、荷主からの無理な発注による過労運転などが安全運行を阻害する要因として指摘されており、その是正を求める声が高まっている。こうした状況に対し、国土交通省では昨年から運送契約の書面化など適正取引の推進に向けた検討を進めてきた。

 今回行われる貨物自動車運送事業輸送安全規則の改正では、「一般貨物自動車運送事業者等は、運送条件が明確でない運送の引受け、(略)運送契約によらない附帯業務の実施に起因する運転者の過労運転または過積載による運送その他の輸送の安全を阻害する行為を防止するため、荷主と密接に連絡し、および協力して、適正な取引の確保に努めなければならない」とする条文を新設。

 運送契約の書面化については、昨年2月に開かれた「トラック産業に係る取組作業部会」の第1回会合で昨年夏までに改正省令公布のスケジュールが示されたが、運送事業者の事務負担増大などの懸念が示されたことなどから、8~9月に実証実験を実施。その結果、IT上での承認や下請法3条書面など既存の書面の活用により、事務負担や人件費の増大にはつながらないとの結果が出たことなどから、パブリックコメントでの意見などを反映させた上で、運送引受書面の必要記載事項や記入例を示したガイドラインを制定する。

 標準運送約款の改正では、個人以外が荷送人である場合には、運送状を提出しなければならないこととし、運賃のほか、燃料サーチャージや有料道路料金などの支払いに関する事項を記載する必要があると明記する。

 また、車両留置料について収受することを新たに明記するほか、附帯業務についても、検収、検品、一定の時間、技能、機器などを必要とする業務を新たに追加した。
 22日付で、全ト協や経団連などの荷主団体、通運連盟、JIFFAなどの貨物利用運送事業者団体あてに輸送安全規則改正やガイドライン制定などについての通達を行い、貨物利用運送事業者団体あてには運行管理者講習の受講など運行管理上の規則などに関する習熟を併せて求める。

 また、荷主団体向けでは、「荷主等の行為が貨物運送事業者の安全運行を阻害したまたはその恐れがある事例」として、①非合理的な到着時間の設定②やむを得ない遅延に対するペナルティの設定③貨物量に対し積載量の少ない車両指定④契約にない附帯作業―などを例に挙げ、これらの行為が認められた場合には、調査の上、悪質性の高い場合には、荷主勧告などを行うとしている。

 来年度は、書面化の実施状況についてのフォローを行うとともに、今年度開催しているセミナーに準ずる啓発活動を行っていく計画。

通販事業者向け決済新商品のテスト販売開始、代金後払いが可能に  ヤマトクレジット、ヤマトファイナンス

 ヤマトクレジットファイナンス(樫本敦司社長)とヤマトフィナンシャル(栗栖利蔵社長)はきょう20日から、通販事業者向け新決済商品『クロネコ代金後払いサービス』のテスト販売を開始する。本格販売は今年10月の予定。

 『クロネコ代金後払いサービス』は、購入者が商品代金を商品の到着後に後払いできる内容。支払いは、全国主要コンビニエンスストアや郵便局で行える。購入者には、商品確認後の支払いで、安心して買い物できる環境を、通販事業者には、新たな決済手段の提供やバックヤード業務削減、未回収リスクゼロのメリットを提供できる。

 サービスは商品と請求書を別送する「別送タイプ」と、同梱して送る「同梱タイプ」の2種類を用意しているが、今回テスト販売を開始するのは、標準サービスとなる「別送」のみ。「同梱」は4月からのテスト販売を予定している。

 ヤマトフィナンシャルと「宅急便コレクト」の利用契約のある顧客が主な対象で、料金体系は基本料金とオプション料金(『同梱タイプ』の追加料金)、請求書発行手数料で構成されており、基本料金は通販事業者が販売状況に応じてA~Cの3プランから選択できる。Aは月額固定費4万8千円・決済手数料2.9%、Cは月額固定費5千円・決済手数料4.4%。オプション料金は初期費用5万円、月額固定費1万5千円。1取引ごとの請求書発行手数料は、「別送」が190円、「同梱」が100円。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ『2014年の中国貿易展望』
    ☆寄稿、パレット管理『戦略的経営課題とシステム導入の5つのハードル(上)』
    ☆四文字『労働力の不足「長期課題」』
    ☆日中ビジネスワンポイント『「馬」にまつわる諺(ことわざ)』
    ☆道『規制緩和時代の幕開け(24)』
    ☆人物ウィークリー、日本通運・三原正彦広報部長
    ☆物流業界の新年会

  • ☆エコモ財団、グリーン経営認証リーダー研修会参加申し込み受け付け中
    ☆全流協、幹線運行車のデジタコデータ解析ソフト開発へ
    ☆東ト協、警視庁からの依頼受けドラレコデータ提供へ 
    ☆セイノーHDが新年互礼会を開催、スローガンは「創造」
    ☆JILS・西田会長ら見解、ロジスティクスでの変化への対応不可欠
    ☆埼玉ト協が中小事業者の経営指針作成、業績改善を図る7つのポイント示す
    ☆運輸労連が賃金実態調査まとめる、進む運転者の高齢化
    ☆運輸労連の年末一時金、単純平均・加重平均とも前年増額
    ☆帝国データバンクの13年のトラック運送業倒産、軽油高騰転嫁できず292件の高水準で推移
    ☆日倉協、中小倉庫の経営強化に向け経営セミナー開催
    ☆JR貨物の13年度第3四半期実績 、ドライバー不足など影響しコンテナ堅調に
    ☆全ト協・日貨協連の12月WebKIT確報、機械・装置や建材等が増加し荷物情報9.9万件に
    ☆運輸労連の職場安全調査結果、運転者数充足が大幅減少し人手不足感顕著に

今週のユソー編集室

  • ▼長い間「懸念」にとどまってきたトラックドライバー不足が、いよいよ顕在化してきたのか。全ト協が年明けに発表したWebKITの成約運賃指数が、2ヵ月連続で上昇している。
    ▼その他のさまざまな指標でも、業界の人手不足感が確実に高まっている様子がうかがえ、消費税増税の直前まで、トラック運送業界からは「うれしい悲鳴」どころか、「本物の悲鳴」が聞こえかねない状況だ。
    ▼地域によっては、紹介料を使って他社のドライバーを引き抜いているといった、にわかには信じがたい話や、メーカーへ「車を買うから運転手もつけてくれ」と要求したという冗談まで聞こえてくる始末だ。
    ▼需給バランスの変化から、運賃が適正水準に近づいているとするならば、これは歓迎すべき話なのかもしれない。反面、止まらないドライバーの高齢化現象まで考えると、国内物流のサービスレベルが維持できるのかどうか、不安が押し寄せてくる。

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