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2014年1月1日付 2502号

14年度予算を閣議決定、中小トラック事業者向けにエネ特で環境対応車補助  政府

 政府は12月24日、一般会計で95兆8823億円となる2014年度予算を閣議決定した。国土交通省は、一般会計で5兆1616億円となり13年度比2%の増。自動車局関係は13年度並みの24億3800億円で12年度同様に自動車運送事業の安全総合対策や環境対応車普及促進など、が認められた。

 また、エネルギー対策特別会計(エネ特)の中で環境省との連携で「中小トラック事業者における低炭素化推進事業」に29億6500億円が新規に盛り込まれた。

 自動車局関係では、ASV補助やデジタコ・ドラレコ補助などを行う「自動車運送事業の安全総合対策」に10億800万円(13年度は10億7700万円)、CNG・ハイブリッドトラックなどの導入経費の一部を補助する「環境対応車普及促進対策」に5億2900万円(同6億円)、電気トラックの開発促進などを行う「次世代大型車開発・実用化促進事業」に2億4800万円(同2億4900万円)が認められた。また、「事業用自動車事故調査委員会」の設置に向け、5800万円が新規に盛り込まれた。

 組織・定員関係では本省に交通事故関連訴訟に対応するため、安全政策課内に「訴訟対策官」を置くほか、ASV推進のため、技術政策課に「先進技術係長」を置く。地方では、自動車運送事業の監査体制強化のため、全国の運輸支局で運輸企画専門官14人の増員が認められた。これにより監査体制は現行の255人に14人を加えた269人となる見込み。

 エネ特関連では、資源エネルギー庁との連携による継続案件として、「省エネ型ロジスティクス等推進事業費補助金」で50億1千万円の内数(同25億円)が認められ、新たにエコタイヤを活用した省エネ型運送を行うトラック事業者の評価制度構築が盛り込まれた。なお、エコタイヤによる省エネ対策は、国土交通省13年度補正予算の「トラック輸送の省エネ対策推進」で50億2千万円の中でも認められている。

 環境省との連携では、効率的な地域内輸送や物流拠点の低炭素化、大型CNGトラックやモーダルシフトによる幹線輸送などを支援する「物流の低炭素化促進事業」が94億円の内数(同76億円)で継続されたほか、新規で、「中小トラック運送事業者における低炭素化推進事業」が29億6500万円盛り込まれた。

 同事業は、14年度から3年間、中小トラック事業者が経年車を環境対応車に代替する際に、大型車100万円、中型車70万円、小型車40万円を補助する。13年度補正予算のトラック輸送の省エネ対策推進でも環境対応車補助が同様の補助額で認められたが、補正予算では保有台数30台以下の事業者が対象で経年車の代替が必要ないのに対し、環境省との連携事業では中小企業基本法で定める事業者を対象とすることや経年車の廃車を条件としていることなどが異なる。

 総合政策局の物流関連では、「物流政策対話およびアジア物流パイロット事業の推進等の実施」で10億4800万円の内数、「災害に対するわが国物流システムの強じん化」で2千万円、「モーダルシフト等の推進」で3800万円、新規の「北東アジアにおけるシームレス物流システムの実現等に向けた取り組み」で2500万円が認められた。

 また、エネ特での環境省との連携事業として、鉄道用12フィート冷蔵コンテナの整備・運用に関する実証実験や輸出入コンテナ貨物の鉄道輸送促進に向けた調査・検討などを行う「エネルギー起源CO2排出削減技術評価・検証事業費」が40億円の内数、冷蔵倉庫などでの「先進技術を利用した省エネ型自然冷媒機器等普及事業」で50億円の内数が盛り込まれている。

新たな高速道路料金で割高区間引き下げへ、来年度以降の基本方針示す  国交省

 国土交通省は12月20日、関越トンネルなどの割高区間を普通区間と同水準にすることなどを盛り込んだ新たな高速道路料金に関する基本方針を公表した。今回示された基本方針では、区間ごとの料金差を是正し、普通区間、大都市近郊区間、海峡部等特別区間の3つの料金水準への整理を行う。

 普通区間では、関越トンネルや本四高速(陸上部)など6区間ある割高区間の料金水準を普通区間と同じ普通車1キロメートル当たり24.6円とする。大都市近郊区間は現行の普通車1キロメートル当たり29.52円を維持。海峡部等特別区間については、アクアラインや本四高速(海峡部)などを伊勢湾岸道路の普通車1キロメートル当たり108.1円に引き下げる。いずれの料金水準もETC車に限定する。

 首都圏については、圏央道の整備状況などを踏まえ現在、首都高速、中央道均一区間、外環道でそれぞれ別建てになっている料金体系をシームレスなものにするため、阪神圏を含め来年度有識者による検討会を開始し、2016年に新たな料金体系を導入する計画。

 今後、高速会社が新たな料金案の公表を行い、パブリックコメントを経て国に申請、事業許可後の来年4月から新たな料金がスタートする。

今週掲載トピック一覧

  • ☆各界の年頭あいさつ
    ☆新春特集①『首都圏3環状道路』
    ☆新春特集②『災害時物流体制構築の取り組み』
    ☆臨海鉄道特集『百年の絆で震災克服、福島臨海鉄道』
    ☆連載企画、『通販~トレンドと近未来予測~』(5)「突き詰めればヒューマン力」

  • ☆日通の11月国際事業本部実績、国内航空・海運ともに堅調
    ☆ヤマトHD、シンガポールに地域統括会社を設立
    ☆全ト協調査、年明け後輸送力確保できないが3割強
    ☆全ト協、2013年度Gマーク認定は5618事業所
    ☆センコーグループがCS向上活動全国大会を開催、選抜13チームが成果発表
    ☆包装技術協会、TOKYO PACK2014の出展が前回上回る受け付けペースに
    ☆塩竈港運送、仙台港鉄鋼倉庫2号が竣工

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