新たな高速料金割引案公表、大口多頻度割引は最大約40%に拡充 高速各社
東日本・中日本・西日本の各高速会社は11月29日、来年度以降の新たな高速料金割引案を公表。国の緊急経済対策による割引財源が今年度いっぱいで無くなることを踏まえ、これまでの割引制度を見直して通勤時間帯割引や休日割引を縮小する一方、「物流対策」として大口・多頻度割引は最大割引を現行の約30%から約40%に引き上げる方針を示した。
高速道路の料金割引は、2005年の道路公団民営化前後に導入された大口・多頻度割引などと、08年に国の緊急経済対策として導入された休日割引、深夜割引などで構成されている。このうち、緊急経済対策の財源(年間約4千億円)が今年度で切れるため、国土交通省は高速会社に対し、今月中に新たな料金案を示すよう求めていた。
これまでの割引制度では、目的の異なる割引が上乗せで実施されているなど、効果の発揮が不十分なことに加え、利用者からわかりにくいといった声があったことなどを踏まえ、新たな料金案では時間帯による割引などを整理。
通勤時間帯割引は、土日祝日を除外し平日のみに限定。月当たり利用回数などの要件を設定し、割引原資を圧縮する。休日割引については割引率を5割から3割に縮小するとともに、大都市部を除外。マイレージ割引についても最大割引率を現行の13.8%から9.1%に縮小する。
一方で、大口・多頻度割引については、最大割引率を現行の約30%(車両単位割引約20%+契約単位割引約10%)から約40%(車両単位割引を約30%に引き上げ)に拡充する。
今後、補正予算による国の経済対策を加え、年末には新たな料金の「基本方針」を公表。その後具体的な料金案の公表とパブリックコメントなどを経て、来年4月から新たな料金制度をスタートさせる計画。