トラックの7~9月期景況感は水面下も全規模で大幅に改善 全ト協
全ト協は18日、7~9月期トラック運送業界の景況感をまとめた。日銀短観でも景気回復や円安進行などを背景とした企業マインド改善が続いていることが確認される中、トラック運送業界の景況感の判断指数は、マイナス14と前回から大幅に改善した。前回大規模事業者に集中していた改善が、今回はいずれの規模においてもみられるものの、営業利益は燃料価格高騰の影響を受け、中小規模事業者では依然として伸び悩んでいる。
10~12月期の見通しについてはマイナス14の横ばいで、内需盛り上がりによる受注増となっても、コスト増による収益圧迫の懸念が景況感判断を押し下げている。
7~9月期景況感は、「好転」とした事業者は21%で10ポイント増加、「悪化」とした事業者は32%で10ポイント減少し、判断指標はマイナス14と22ポイント改善した。
特積み貨物の宅配貨物は、輸送量の判断指標がプラス6で11ポイント悪化、営業収入はマイナス10で17ポイント悪化、営業利益もマイナス10で6ポイント悪化した。宅配以外の特積み貨物は、輸送数量がプラス23で17ポイント改善し、営業収入もプラス28と30ポイント改善、営業利益もマイナス8と6ポイント改善。
一般貨物は、輸送数量がプラス5となり25ポイント改善、営業収入もプラスマイナスゼロとなり20ポイント改善し、営業利益はマイナス29と7ポイントの改善にとどまった。
運賃水準は、宅配貨物の判断指標がマイナス13で9ポイント悪化、宅配以外の特積み貨物はプラス15で24ポイントの改善、一般貨物はマイナス10で9ポイント改善した。
雇用状況(人手の過不足)は、プラス54で22ポイント上昇し、依然として不足感が強い。
10~12月期の見通しは、業界の景況感の判断指標はマイナス14。12月にかけて増税前の駆け込み需要で内需が盛り上がると予想されるものの、受注増となっても燃料コストの高止まりや人材不足、環境適合車の維持コストなどが圧迫し、景況感を前回の横ばいにとどめている。
宅配貨物は、輸送数量、営業収入、営業利益がやや減少の見込み。宅配以外の特積み貨物は、輸送数量と営業収入はやや減少し、営業利益はわずかに増加の見込み。
一般貨物は、輸送数量が横ばい、営業収入はわずかに減少、営業利益がほぼ横ばいの見込み。
運賃水準は、宅配貨物は改善、宅配以外の特積貨物はやや悪化、一般貨物は横ばいの見込み。