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2013年10月28日付 2494号

トレーラの横転事故防止へ、偏荷重や高重心を検知する3次元測定開始  高松港

世界初の3次元重心測定を可能としたサトルス

 高松港はきょう28日から、コンテナトレーラの偏荷重による横転事故を防止する3次元重心測定トラックスケールの運用を開始する。
 かがわ産業支援財団の支援を受け、産業用はかりメーカーの鎌長製衡と横浜港湾貨物計量協会が共同開発した世界初の「地上式3次元重心測定機能式トラックスケール・サトルス」をコンテナターミナルゲートに設置した。鎌長製衡が製品PRを兼ねて香川県に寄贈したもの。

 海上コンテナは国際ルールで運送事業者が開封できないため、偏荷重、高重心の把握が難しく、従来のトラックスケールでも左右の重心位置の測定はできるが、サトルスは前後・上下を加えた3次元の計測を可能とした。前後・左右は荷重を検知するデジタルロードセルと位置センサーで、高さはスケール上の傾斜台に乗りあげさせることで測定する仕組み。車両側に装置等の取り付けの必要はない。

 計測時間は一般的なトラックスケールに3~5秒追加された程度で、1日1200台超の計測ができる。計測はオペレーション画面にイラストで表示され、結果はプリントアウトされる。

 高松港では、2012年度のコンテナ取扱量が過去最高を記録しており、サトルスの寄贈により、コンテナ車両の横転防止に寄与していきたいとコメントしている。

パナソニックの貿易会社株式譲受で基本合意  KWE

近鉄エクスプレス(KWE、石崎哲社長)とパナソニック(津賀一宏社長)は24日、パナソニック100%子会社のパナソニックトレーディングサービスジャパン(笠森則道社長)の普通株式の一部をKWEに譲渡することについて、基本合意したと発表した。

 パナソニックトレーディングサービスジャパンは、本社を大阪市中央区に置き、パナソニックグループの輸出入・三国間貿易手続き全般を手がけている。資本金は1千万円、従業員は116人、2013年3月期の売上高は14億5700万円。

 基本合意の内容は、次のとおり。
 ①パナソニックは、パナソニックトレーディングサービスジャパンの発行済み株式2万株のうち1万3千株(65%)を近鉄エクスプレスへ譲渡する。
 ②パナソニックトレーディングサービスジャパンは、KWEグループの経営資源・ノウハウを活用し、貿易手続き業務の効率化を実現する。
 ③パナソニックトレーディングサービスジャパンが提供するサービスレベルについては、今後も維持・向上に努める。

 両社は今後、2013年12月末に予定している最終契約書の締結に向けた協議を進め、最終的には14年4月に株式の譲渡を実施する予定。

 今回の株式譲渡についてKWEでは、メーカーの物流ニーズに精通するパナソニックトレーディングサービスジャパンを新たにグループに加えることで、そのノウハウをさらに蓄積、新たな価値を創造し、グループ全体の競争力を高めていくとしている。
 またパナソニックは、KWEの経営資源・ノウハウを活用することで、現在パナソニックトレーディングサービスジャパンがグループ内に提供している、国際貿易業務のサービスレベルを維持・向上させるとともに、パナソニックグループにおける貿易関連業務の効率化と、委託費用の合理的な削減などを実現させていくとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か⑧
    ☆四文字『小型との騒動「積合輸送」』
    ☆道『規制緩和時代の幕開け⑲』
    ☆日中ビジネスワンポイント『江南水郷「古鎮」巡り③』

  • ☆JIFFA、FIATAに正会員で加盟
    ☆国際物流戦略チーム、阪神港利用促進の物流サービス事業を募集
    ☆千葉ト協、非会員の入会意向調査で41%が入会意向示す
    ☆13年上半期貿易速報は過去最大の赤字に
    ☆DBJ、大和ハウスリート八王子施設にグリーン・ビルディング認証を付与
    ☆堀場製作所・日本ユニシス、新たな運行管理システム11月から提供開始
    ☆JILSが全国大会2013開く、今後のロジスティクスのあるべき姿学ぶ 
    ☆圏央道神奈川エリアの物流施設開発進む、新規工場立地も全国比3倍に
    ☆通運連盟、鉄道コンテナお試しキャンペーン利用が大幅に増加
    ☆YSD・YFC、アミューズメント施設での電子マネー決済導入で11月から実証実験
    ☆JRF・RC、「鉄道貨物振興奨励賞」「住田物流奨励賞」受賞作品を発表
    ☆千葉県適正化実施機関、巡回指導評価の推移で指導効果が顕著に現れる
    ☆自動車功労者大臣表彰
    ☆日本フルハーフ、コンセプトモデル開発し東京モーターショーに出展
    ☆ヤマハがリヤカー脱着式の電動アシスト三輪車発売、ヤマト運輸が採用
    ☆SBSHD、点呼実施標準化目的にマニュアルを作成
    ☆国土交通政策研究所が研究調査結果を公表、支援物資輸送のマニュアル政令市以外の市は作成1割未満
    ☆ボックスチャーター、JITBOXチャーター便の実績が好調に推移-今期2桁増へ

今週のユソー編集室

  • ▼福岡県は22日、関門海峡道路の経済影響調査を実施すると発表した。道路建設へ向け、国への働きかけを補強するための資料にするという。
    ▼構想では、関門トンネル、関門橋に続く第3のルートとして、北九州市小倉北区と下関市を結び、物流の効率化や利便性の向上、大規模災害発生時における代替機能確保など、物流や災害対応面で直接・間接的効果が期待できるという内容だ。
    ▼構想自体は、国が1987年の第4次全国総合開発計画で原案を示していたもので、事業の必要性などが疑問視されたこともあり、2008年に調査を打ち切っていた。
    ▼今回は国の背中を押すために、県が6年ぶりに調査を再開するわけだ。調査結果がまとまるのは、まだ先の話だが、国土強靭(きょうじん)化を掲げる国が、事業再開へ前向きに臨むのか、あるいは限られた財源を既存交通インフラの修復に充当するため、新規道路の整備には慎重に臨むのか、興味が尽きない。

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