物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2013年9月30日付 2490号

国内最大規模の家庭紙専門商社アストと資本業務提携-商物一体のビジネスモデル構築へ  センコー

 センコー(福田泰久社長)は20日に開催した取締役会で、国内最大規模の家庭紙専門商社・アスト㈱(本社=大阪市、林裕之社長)との間で、資本業務提携することと、アストが発行する株式の過半数を取得することを決議した。センコーの量販・小売分野の物流ノウハウと、アストの小売業界への販売力を一体化させ、商品の企画・調達からエンドユーザー配送まで、海外を含めた製造から販売までワンストップの商流・物流一体型のビジネスモデルを構築し、両社の事業拡大と新規顧客開発を目指す。

 センコーは近年、物流機能の提供だけにとどまらず、商流分野の商事・貿易事業に進出し、商流・物流一体型事業の拡大を進めている。また量販・小売分野の物流事業を展開し、そのノウハウに高い評価を得ている。

 一方、アスト(資本金1億円)は家庭紙専門商社として、家庭用・業務用の紙製品を中心に全国的なネットワークで商品開発から調達・物流・販売までを一貫して行っており、さらなる販売力の拡大と海外調達を含む効率的な流通・物流サービスの構築を目指している。特に「工場を持たないメーカー」として、取引企業と共同で新製品開発を行うなど製造と量販・小売店への商流・物流の直納入ができることを、事業の特徴と強みにしている。

 業務提携では、センコーは同社の量販・小売物流のノウハウとネットワークを生かし、アストの仕入れメーカー等の商品調達物流と、得意先への高度な納品サービスを提供して、アストの販売力強化に寄与するとともに、アストの得意先を中心に物流事業の拡大を目指していく。またアストの独自商品をセンコーグループの商事・貿易部門と連携させ、一層の商事・貿易事業の拡大を図る。

 アストは、既存得意先に対する商品企画・販売機能と調達サポート機能を強化・発展させ、さらなる信頼関係を構築し、センコーの物流・情報機能を活用し、コスト低減と製造から販売までを一貫させた最適な物流システムの構築、センコーグループの量販・小売顧客への販売を通じて事業拡大を目指す。

 資本提携は、提携の実効性をより高める観点から、アスト株式の過半数を取得することを前提とし、20日付でアスト株式の過半数を保有する株主との間で公正取引委員会の承認を停止条件とする株式譲渡契約を締結するとともに、これら株主以外の株主に対しては同日以後、アスト株式の譲渡申し入れを開始し、譲渡に応じる株主の保有分をすべて取得する方針としている。

 株式譲渡実効日は10月下旬。取得株式数は普通株式が発行済み株式の52.1%にあたる19万6555株、甲種株式が75.0%にあたる3株で、取得価額(概算)はアドバイザリー費用等1千万円を含め35億4800万円。なお11月からアストの連結を開始する予定。

上海青浦工業園区に倉庫運営会社を設立  香港日通

上海市青浦工業園区の自社倉庫

 香港日通は26日、上海市青浦工業園区内に独資による国内倉庫運営会社・日通国際供応鏈管理(上海)有限公司を設立し、自社倉庫による営業を開始したと発表した。

 倉庫の敷地面積は4万4965平方メートル、倉庫面積は1万5267平方メートルの規模で、消費財等を中心に中国内需対応の施設として機能させる。営業窓口は日通国際物流(中国)有限公司上海分公司が担当し、オペレーション専門の運営会社を設置することで効率化を図る。

 上海市青浦区は、上海市西部に位置し、生産拠点の集積が進む江蘇省、浙江省各都市と上海市とを結ぶ交通の要衝であるとともに、国内航空貨物の輸送拠点である虹橋空港に17㌔㍍と近接する好適地にある。

 人口約2400万人を有する上海市等の大都市圏向けの消費物流需要が急増しており、青浦区に自社倉庫を設置したことで、上海を発着する国内外の輸送モードを組み合わせた消費物流サービスを提供することが可能になったとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か⑥
    ☆ウオッチ『中国のBtoC国際電子商取引が対外貿易の新たな成長源に』
    ☆四文字『ビジョン策定へ「倉庫事業」』
    ☆道『規制緩和時代の幕開け⑰』
    ☆日中ビジネスワンポイント『江南水郷「古鎮」巡り②』

  • ☆試験センター、第1回運管試験(貨物)合格率過去最低に
    ☆エンジンコンバート電動トラック化、郵便輸送、日通商事等が参画し愛媛で開発プロジェクト
    ☆全ト協調査、アイドリングストップ支援機器で1日当たり70%の削減効果
    ☆国交省・経産省、物流施策大綱の具体的施策示す推進プログラム策定
    ☆2013年度「モーダルシフト等推進事業」認定および決定対象事業一覧
    ☆全ト協、自民党役員らに軽油価格高騰対策など要望活動を展開
    ☆佐川アドバンス、燃料販売事業を開始
    ☆物流連、基本政策委に物流団体WGを設置
    ☆センコー、小牧第2PDセンター竣工
    ☆佐川急便、支店組織改編し5支社17支店体制に
    ☆西濃運輸、名神高速養老SAで安全運行を呼びかけ
    ☆トラスコ中山、中国・四国エリアの物流センター稼働
    ☆佐川フィナンシャル、ベリトランス社と協働し新たな決済サービス
    ☆日通、秋の引越しキャンペーンを展開
    ☆全ト協、トラックの日のポスターでグランプリ作品を決定
    ☆SBSHD、関西・北陸対象の安全運転研修会

今週のユソー編集室

  • ▼「一体どうなっているのか」、多くの人がそう思ったに違いない。19日にJR貨物の列車が、函館線大沼駅構内で脱線した。8月にも同じ函館線で脱線事故が発生しており、2ヵ月連続だ。
    ▼事故後に行われたJR北海道の緊急点検では、2本のレールの間隔が基準値を大きく超えていたという。現段階ではそれが事故原因とは特定されていないものの、そうした補修放置箇所が100ヵ所を超えていたというのだから、驚くほかない。
    ▼同社の管内では、昨年2月以降5回の脱線事故が発生しているほか、車両の不具合や運転士によるATSスイッチの破壊など、およそ信じられないトラブルが続いており、大きな批判が寄せられている。
    ▼今回の事故で84本の運休が発生したJR貨物では、同様の補修放置が行われていないか、全国の線路保有区間を対象に、書類上の確認を行った。これを機に、運輸業の基本たる「安全第一」を、あらためて肝に銘じたい。

戻る