国内最大規模の家庭紙専門商社アストと資本業務提携-商物一体のビジネスモデル構築へ センコー
センコー(福田泰久社長)は20日に開催した取締役会で、国内最大規模の家庭紙専門商社・アスト㈱(本社=大阪市、林裕之社長)との間で、資本業務提携することと、アストが発行する株式の過半数を取得することを決議した。センコーの量販・小売分野の物流ノウハウと、アストの小売業界への販売力を一体化させ、商品の企画・調達からエンドユーザー配送まで、海外を含めた製造から販売までワンストップの商流・物流一体型のビジネスモデルを構築し、両社の事業拡大と新規顧客開発を目指す。
センコーは近年、物流機能の提供だけにとどまらず、商流分野の商事・貿易事業に進出し、商流・物流一体型事業の拡大を進めている。また量販・小売分野の物流事業を展開し、そのノウハウに高い評価を得ている。
一方、アスト(資本金1億円)は家庭紙専門商社として、家庭用・業務用の紙製品を中心に全国的なネットワークで商品開発から調達・物流・販売までを一貫して行っており、さらなる販売力の拡大と海外調達を含む効率的な流通・物流サービスの構築を目指している。特に「工場を持たないメーカー」として、取引企業と共同で新製品開発を行うなど製造と量販・小売店への商流・物流の直納入ができることを、事業の特徴と強みにしている。
業務提携では、センコーは同社の量販・小売物流のノウハウとネットワークを生かし、アストの仕入れメーカー等の商品調達物流と、得意先への高度な納品サービスを提供して、アストの販売力強化に寄与するとともに、アストの得意先を中心に物流事業の拡大を目指していく。またアストの独自商品をセンコーグループの商事・貿易部門と連携させ、一層の商事・貿易事業の拡大を図る。
アストは、既存得意先に対する商品企画・販売機能と調達サポート機能を強化・発展させ、さらなる信頼関係を構築し、センコーの物流・情報機能を活用し、コスト低減と製造から販売までを一貫させた最適な物流システムの構築、センコーグループの量販・小売顧客への販売を通じて事業拡大を目指す。
資本提携は、提携の実効性をより高める観点から、アスト株式の過半数を取得することを前提とし、20日付でアスト株式の過半数を保有する株主との間で公正取引委員会の承認を停止条件とする株式譲渡契約を締結するとともに、これら株主以外の株主に対しては同日以後、アスト株式の譲渡申し入れを開始し、譲渡に応じる株主の保有分をすべて取得する方針としている。
株式譲渡実効日は10月下旬。取得株式数は普通株式が発行済み株式の52.1%にあたる19万6555株、甲種株式が75.0%にあたる3株で、取得価額(概算)はアドバイザリー費用等1千万円を含め35億4800万円。なお11月からアストの連結を開始する予定。