5次目の総合物流施策大綱を閣議決定ー全体最適物流の実現へ工程表作成し進捗管理 政府
政府は6月25日、5次目となる「総合物流施策大綱(2013~2017)」を閣議決定した。「強い経済の再生と成長を支える物流システムの構築~国内外でムリ・ムダ・ムラのない全体最適な物流の実現~」を目標に、①企業のグローバル・サプライチェーンを支える物流②環境負荷の少ない物流③災害対策に強い物流―の実現を目指し、2017年度に向け物流施策の総合的・一体的な推進を図る。
今後の物流施策について、「産業活動と国民生活を支える効率的な物流の実現の取組」「さらなる環境負荷の低減に向けた取組」「安全・安心の確保に向けた取組」という3つの方向性を示した。
産業活動と国民生活を支える効率的な物流の実現では、わが国物流システムのアジア圏への展開を図るため、アジア各国との政策対話による海外展開のための環境整備や、NEAL―NET(北東アジア物流情報サービスネットワーク)の展開などに取り組む。またグローバル・サプライチェーンの一端を担うわが国の国際物流ネットワークの国際競争力強化のため、船舶大型化に対応した港湾機能の強化や国際海上コンテナターミナル積載車両の通行支障解消など物流インフラの整備や有効活用を図っていく。また荷主・物流事業者連携による物流効率化や事業の構造改善に取り組む。
環境負荷低減に向けては、鉄道・内航海運の輸送力強化とモーダルシフトやトラック等の省エネ化を推進する。
安全・安心の確保に向けては、物流における災害対策として、被災者に支援物資を確実に届けるための体制・システム整備や、道路・港湾等の地震・津波対策の推進などに取り組む。45フィートコンテナ積載車両等が通行すべき経路を指定し望ましい経路を通行するよう誘導、適正な道路利用を促進し、社会資本の適切な維持管理・利用を図っていく。
またAEO事業者の輸出入手続きの簡素化推進などセキュリティ確保と物流効率化の両立に取り組む。そして輸送の安全・保安確保を図り、信頼性の高い物流システムを構築していく。
こうした施策は今後、関係省庁による推進会議を設置し、連携・協働を一層強め推進していく。来年度予算概算要求に間に合うよう7月中には推進会議を開催し具体的な物流施策のプログラムをまとめていく。ここでは中長期的な見通しのもと目標を設定し、その達成に向けた工程表を今回初めて作成していくこととしている。その上で、毎年度取り組みの実施状況を検証し、結果を公表。また必要に応じて見直しなど、計画・実行・評価・改善を繰り消し改善するPDCA方式で進捗(しんちょく)管理を適切に行っていく。さらに経済や物流状況の大きな変化の場合、必要に応じて大綱を改訂していく。