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2013年6月17日付 2478号

燃料価格高騰の救済措置や中型免許見直しへ進展  細田自民党トラック議連会長が明らかに

 トラック運送業界の燃料価格高騰に対する救済措置と中型運転免許見直しの要望が近く進展する見通しとなった。12日、東京・千代田区のホテルルポール麹町で開かれた自民党トラック輸送振興議員連盟(自民党トラック議連)の総会後の取材で細田博之同議連会長らが明らかにした。

 細田会長によると、円安で燃料等が高騰している畜産含む農業、水産業そして特にトラック運送業が苦しい状況におかれているため、「現下の円安傾向のもとで経営上大きな打撃を受けている産業分野の救済を図るため、速やかに具体的な措置を講ずる」こととし、20日にも発表される参院選の自民党公約に盛り込み、参院選後、具体的な措置に着手するとの考えを明らかにした。

 これらは各業界の要望を受けてのもので、トラック運送業界では5月23日に開催した「燃料価格高騰経営危機突破全国総決起大会」で、◎燃料費を補填する補助金の創設◎燃料サーチャージ導入の促進◎燃料価格監視の徹底◎軽油引取税緊急減税の実現―を要望していた。

 一方、中型運転免許の見直し(普通自動車免許に係る要件緩和)については、赤澤亮正同議連事務局長が取材に応じ、古屋圭司国家公安委員長が、アベノミクスの成長戦略にもつながる雇用拡大、就職支援の観点から、中型免許見直しの要望が全国高等学校長協会からも出されているとして、「早急に結論を出すため検討している」ところだという。高校新卒の採用の動きが始まるのが9月中旬ごろであるため、それまでにきちんと見直しの方向が打ち出されるよう、総会で要望に対する答弁を行った倉田潤警察庁交通局長を通じて議連としても強く申し入れたという。

 そこで見直しの方向が打ち出されれば、9月中旬から始まる採用活動でトラック運送会社等から高校新卒者を採用しようとの動きが出てくることを強く期待していると述べた。

会員200社体制目指す  レンタル収納スペース協議会が定時総会

 レンタル収納スペース協議会(RSA、多田充伸代表理事)は11日、東京・竹橋のKKRホテル東京で2013年度定時会員総会を開催し、「会員200社体制」を目指すなど、協議会活動の活性化を柱とする事業計画を決定した。 加盟会員のレンタル収納事業規模は、529拠点、5万3751ルーム、総売上高78億円(前年度比13%増)で、ルーム数でみると、業界全体の20%弱を占めると推計しており、200社体制の実現により9割以上をカバーする見込み。

 会員数拡大に向けては、加盟規定のハードルを高く設定するのではなく、加盟申請で協議会規定に達していない場合は、まず賛助会員と位置付け、正会員を目指し改善を促していく方策をとる。具体的な基準は建築確認申請の認可、警備体制、コンプライアンス遵守等を求める。これに伴い、これまで事業者単位で付与してきた「RS推奨マーク」について、施設ごとに付与する仕組みに改める。これにより、加盟正会員すべての施設が基準を満たす拠点となり、消費者保護と「安全・安心」なサービスであることをアピールしていく。

 事業計画の主な活動としては、◎消費者への普及活動◎業界ルールの整備、平準化◎会員各社間の情報交流機能の強化◎海外団体との交流―を掲げ、昨年度試行した一般消費者向け「らくらく収納教室」の充実、モデル約款の見直し、不良債権対応などに取り組んでいく。

 1年任期の理事改選では、多田(押入れ産業)・紅林康信(ライゼ)理事を再任、牛山博宣(東京急行電鉄)、ステファン・ジョセフ・スポーン(キュラーズ)・藤井宏幸(京葉物流)・松本悟(ストレージプラス)の各氏を新任、互選の結果、多田理事を代表理事に選任した。

 総会終了後に記者会見した多田代表理事は、創設10年を迎え、当初からの目的であるトランクルームとのすみ分けを一層促進させていきたいと述べ、そのために200社体制という大きな目標を掲げ、認知度の向上を図っていく姿勢を強調。来年の総会では「倍の参加者」になることを期待していると語った。また、海外交流に関して、グローバル展開を図る上で、アジアの中心は日本をうたっていきたいとの考えを示し、将来的には日本でエキスポ等のイベントを開催したいと述べた。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ『中国鉄道部の再編と鉄道貨物輸送の動向』
    ☆四文字『初の名神道の「経済効果」』
    ☆日中ビジネス『王義之、魯迅、そして紹興酒』
    ☆道『規制緩和時代の幕開け⑩』

  • ☆国交省作業部会、Gマーク10年連続で運輸局長表彰など授与へ
    ☆全通連が全国大会、地方提案議題でエンジン式冷凍コンテナ再開発など要望
    ☆東ト協海コン専門部会が通常総会、新部会長に種田副部会長
    ☆JILSの2012年度物流コスト調査、売上高物流コスト比率は4%台後半
    ☆カンダHDがダッシュ21中央発表会、北関東CSセンターが2年連続最優秀賞に
    ☆関東地方交通審議会政策部会、関東交通プランの2013年度重点施策まとめる
    ☆国土幹線道路部会、高速有料期間延長や料金割引再編など含む中間答申案を提示
    ☆日倉協が通常総会、BCPモデル等枠組みの具現化へ
    ☆国交省、コンテナ搬出入予約のプレ実験を実施
    ☆千葉ト協が通常総会、グリーンエコプロジェクトへの参画決める、設立40周年記念式典も
    ☆日本フルハーフ、31?型コンテナデータセンターーを総合展に出展
    ☆トナミ国際物流、AEO制度における特定保税承認者に
    ☆テルウェル東日本フォーラムが総会、緒方会長ら全員再選
    ☆佐川急便、ウェブ上での広告展開を一括して支援するサービスを開始
    ☆NTTロジスコ、来年11月に平和島で新倉庫建設へ
    ☆通運連盟が公益法人化後初の総会、2013年度事業計画に消費増税対応等盛り込む
    ☆日貨協連の総会・全国大会、杉本会長ら正副会長再任し専務理事に矢島氏
    ☆国交省が今月海コンの陸上輸送対策でマニュアル公表、ガイドライン改正も
    ☆国交省、トラック運送契約書面化のパブコメ期間を来月10日まで延長

今週のユソー編集室

  • ▼「ならぬことはならぬ」とは、現在放映されている大河ドラマのセリフだが、「(実態がどうであれ)ダメなものはダメ」とする一種原理主義的な考え方が、世の中に浸透しつつあるように感じる。
    ▼例えば一票の格差問題では、司法全体としておおむね「違憲状態」にあるとの認識が示され、早急な改善が求められている。社会の公平性を保つ上でも、こうした考え方が必要とされる場面は多いだろう。
    ▼国交省は最低車両台数に関して、5台割れ事業者に対し来年5月までに運行管理者を専任するよう義務付けているが、これは事実上5台割れを黙認したものと言われても仕方がない。ならば最低車両台数規制とは一体何なのか、という原理主義的な疑問がわく。
    ▼こうした業界秩序を守るための施策の実効性を担保するには、適正化事業の強化が不可欠となる。ここは是非、国交省自身が「ならぬことはならぬ」の精神で、取り組んでもらいたいところだ。

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