鶴保国交副大臣らが燃料高騰下の適正取り引きについて経団連に緊急要請
鶴保庸介国土交通副大臣と赤羽一嘉経済産業副大臣は5月28日、燃料価格高騰により厳しい経営を強いられているトラック・海運業界の窮状に対し、荷主への燃料高騰分転嫁などについての理解を求めるため、日本経団連の宮原耕治副会長を訪ね、適正取引推進についての緊急協力要請を行った。
要請の冒頭、鶴保副大臣は、「燃料高騰でトラック業界は悲鳴をあげており、できる限りのバックアップを期してお願いにきた」と、訪問の趣旨を説明。その上で、「航空業界などはサーチャージ制度がしっかりしているが、トラック業界からは“われわれだけなぜ(サーチャージが定着していないのか)”との声が上がっており、これには一定の説得力がある」とし、国交省としてサーチャージ制度の定着に注力するとの姿勢を強調した。
また、適正取引推進に向け、トラック運送契約で書面化を推進する方針であることを説明。消費増税分や附帯業務について契約上明確化することで適正取引が進むとの考えを示すとともに、「トラック業界の窮状を斟酌(しんしゃく)し、荷主に書面化を励行してもらいたい」と強く要望した。
赤羽副大臣は、「物流業界は、弱い立場で仕事をしており、円安に耐えられないとの声も聞く。サーチャージ制度はあるものの、その分運賃を割り引くようなことも起きている」とし、運送契約の書面化を通じてサーチャージ制度を機能させる必要があるとの見解を示した。
こうした要請に対し宮原副会長は、「トラック業界が軽油高騰で経営を圧迫されているのは承知している。公正取引の重要性も企業行動憲章で謳(うた)っている。要請の内容を米倉弘昌会長に説明するとともに、機関紙に掲載し、会員に周知する」と述べ、経団連として一定の協力を行っていくとの考えを示した。
翌29日には、鶴保副大臣と菅原一秀経済産業副大臣が日本商工会議所の中村利雄専務理事に、同様の要請を行った。