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2013年6月3日付 2476号

鶴保国交副大臣らが燃料高騰下の適正取り引きについて経団連に緊急要請

 鶴保庸介国土交通副大臣と赤羽一嘉経済産業副大臣は5月28日、燃料価格高騰により厳しい経営を強いられているトラック・海運業界の窮状に対し、荷主への燃料高騰分転嫁などについての理解を求めるため、日本経団連の宮原耕治副会長を訪ね、適正取引推進についての緊急協力要請を行った。

要請の冒頭、鶴保副大臣は、「燃料高騰でトラック業界は悲鳴をあげており、できる限りのバックアップを期してお願いにきた」と、訪問の趣旨を説明。その上で、「航空業界などはサーチャージ制度がしっかりしているが、トラック業界からは“われわれだけなぜ(サーチャージが定着していないのか)”との声が上がっており、これには一定の説得力がある」とし、国交省としてサーチャージ制度の定着に注力するとの姿勢を強調した。

また、適正取引推進に向け、トラック運送契約で書面化を推進する方針であることを説明。消費増税分や附帯業務について契約上明確化することで適正取引が進むとの考えを示すとともに、「トラック業界の窮状を斟酌(しんしゃく)し、荷主に書面化を励行してもらいたい」と強く要望した。

赤羽副大臣は、「物流業界は、弱い立場で仕事をしており、円安に耐えられないとの声も聞く。サーチャージ制度はあるものの、その分運賃を割り引くようなことも起きている」とし、運送契約の書面化を通じてサーチャージ制度を機能させる必要があるとの見解を示した。

こうした要請に対し宮原副会長は、「トラック業界が軽油高騰で経営を圧迫されているのは承知している。公正取引の重要性も企業行動憲章で謳(うた)っている。要請の内容を米倉弘昌会長に説明するとともに、機関紙に掲載し、会員に周知する」と述べ、経団連として一定の協力を行っていくとの考えを示した。

翌29日には、鶴保副大臣と菅原一秀経済産業副大臣が日本商工会議所の中村利雄専務理事に、同様の要請を行った。

アジア向け国際宅急便で最短翌日配達を実施  ヤマトHD

 ヤマトホールディングス(YHD、木川眞社長)とヤマト運輸(山内雅喜社長)は5月27日、ヤマト運輸と月払いなどの法人契約を結んでおり、「送り状発行ソフトB2」を利用している顧客を対象に、アジアにおける宅急便展開地域向けへ、「国際宅急便」の小口荷物の最短翌日配達の取り扱いを開始した。

これまで小口荷物は発送から配達まで3~4日かかっていたが、沖縄国際物流ハブを活用することで、書類と同じく最短で発送翌日に配達できるようになった。料金は60サイズ(2キログラムまで)2050円~160サイズ(25キログラムまで)1万8950円(いずれも関税等諸費用を除く)で、現行からの変更はない。

ヤマトグループは昨年11月15日、沖縄ヤマト運輸が沖縄国際物流ハブを活用して24時間通関を実現し、第1弾として「書類」を対象にアジア宅急便展開地域への最短翌日配達を開始した。今回の小口荷物最短翌日配達は、通関作業にかかる時間を短縮する事前通関システムなどの構築により実現したとしており、YHDでは24時間通関・保税倉庫などの機能と施設をフル活用した、新たな「アジア圏ドアツードア一貫輸送プラットフォーム」構築の第1歩になるとしている。

同社では今後、年内の国際クール宅急便開始を目指すほか、アジア発日本着の小口荷物のリードタイム短縮なども視野に入れてサービス向上を図っていく考えとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、日通グループ全国ドライバー・フォークリフトオペレーターコンテスト
    ☆特集、通運
    ☆アジア進出の落とし穴②『中国』

  • ☆物流環境大賞に日本通運
    ☆国交省、社内安全教育コンサルティングの認定申請受付開始
    ☆鉄道貨物協会が13年度定時総会開く 、鉄道貨物の環境優位性さらなるPR推進へ
    ☆西濃運輸空手道部、国内外での活躍支える新たな道場を開設
    ☆SBSロジコム、約5万平方メートルの物流センター への移転を4日で完了
    ☆トラック対象のグリーン経営講習会、エコモ財団が講師務める
    ☆オンキョーとティアックが国内外で物流共同化
    ☆全ト協、運行管理者のあり方を検討で研究会設置し提言まとめへ-現行制度や課題等整理
    ☆全ト協引越部会が優良認定制度に向け準備、講師認定要領を制定
    ☆物流連が会長交代を発表、次期会長に川合氏(通運連盟会長)「物流を等身大に」
    ☆日通、パナソニックロジ株式の最終契約書を締結-12月に取得を予定
    ☆日貨協連が国交省パブコメで意見提出、点呼受委託の許可基準案受託者に協組追加を
    ☆昨年のドラコン部門優勝者が安倍総理を表敬訪問

今週のユソー編集室

  • ▼内閣府の有識者会議は5月28日、東海沖から九州沖で想定されている、いわゆる南海トラフ巨大地震に関する最終報告を発表した。3月に公表した被害想定をもとに、具体的に実施すべき対策などをまとめたものだ。
    ▼想定では高さ10㍍以上の巨大津波が13都県を襲うことを予測しており、超広域にわたる被害、膨大な数の避難者、エネルギー・食料・飲料・生活物資の不足など、東日本大震災を大きく上回る悲惨な状況が浮かび上がってくる。
    ▼物流面からみた具体的な対策では、「緊急輸送・搬送体制の強化」という項目がある。そこでは国、地方公共団体、事業者の平時からの協力体制の確立や、需要と供給に関する情報の一元化を求めており、いずれも東日本大震災から得た苦い教訓を生かそうとする意図がみえる。
    ▼報告書を読むと、あらためてあの3月が思い起こされる。不安と混乱のなかで、「物流」が果たしてきた大きな役割を、再認識する。

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