トラックの契約書面「不交付でも処分せず」ー国交省が近くガイドラインとパブコメ募集へ
国土交通省自動車局の加賀至貨物課長は18日、交通運輸記者会の取材に応じ、義務化に向けた検討が行われてきたトラック運送業における契約の書面化について、近くガイドライン案を公表し、パブリックコメントを開始する予定であることを明らかにするとともに、書面を交付しない場合の行政処分は当面行わないとの方針を示した。
ガイドライン案は、先月開かれた適正取引推進パートナーシップ会議で、「重要事項確認書面(仮称)」の記載項目などを示したものが提示されたが、近く公表されるガイドライン案では、軽貨物、霊きゅう、一般廃棄物、特積み、引越は書面交付義務化の対象外となることなどを新たに盛り込む。
また、「(書面交付義務化の)施行をもって直ちに処分基準を策定するのではなく、当面はガイドラインを用いて書面化を推進する取り組みを行っていく予定」と記述。交付を行っていない場合でも、行政処分の対象とはならないとしている。
これについて加賀課長は、「(トラック事業者による健全取引に向けた)取り組みとしての書面化励行をサポートしたい」とし、監査の際に書面の交付状況などは確認しない方針であることを明らかにした。一方で、現在、標準貨物自動車運送約款第8条第1項で規定されている、荷主からトラック事業者への運送状(委託書)の提出を、これまでの「運送事業者の求めがある場合」から「運送事業者が不要とした場合を除き」に改め、原則提出とすることで荷主に対する書面交付の実効性を上げる。
ガイドラインは、パブコメを経て、春~夏に公布、荷主、トラック事業者などの関係者に対するセミナー開催など、周知期間を経た上で、今年度内に施行される見込み。