災害時の総合応援で広域首都圏17自治体が民間と物流協定締結 国交省
国土交通省は2月27日、東日本大震災を踏まえた「首都圏広域地方計画の総点検結果(最終取りまとめ)」と「災害時相互応援に関連する広域的な協定等の締結状況」を公表。広域首都圏(1都7県と福島・新潟・長野・静岡)の各県と首都圏の政令市を合わせた17の自治体で民間との支援物資物流に関する協定が締結されていることがわかった。
国土交通省では、広域地方計画に位置付けられている防災関連プロジェクトが今後発生しうる地震・津波災害等に対応しているかについての総点検を全国8ブロックで行っており、首都圏では「東日本大震災を踏まえた首都圏における広域的な連携・取り組みのためのプロジェクトチーム」を設置して、広域的に連携する必要性の高い課題や解決方策について検討してきた。取りまとめでは、「民間のノウハウを活用した支援物資物流」や「災害に強い物流システムの構築」など広域的な連携・取り組みが必要な課題を22項目抽出し、解決に向けた方策をアクションプランとして示した。
物流関連の課題に対しては、「協議会での取りまとめ内容に実効性を持たせるとともに、効率的・効果的な支援物流システムを目指すため、訓練シナリオの作成および実証訓練の実施、災害時協力協定の締結・見直しの推進、関係者間の連携体制づくり、リストアップした民間物資拠点の更新に取り組んでいく」とした。また、陸・海・空が連携した緊急輸送の交通確保のため、首都圏三環状道路等の高規格道路整備や橋梁の耐震化等を推進するとしている。
協定等の締結状況については、都県、政令市が締結している地震・津波災害の協定等のうち、①都県の場合は県外、政令市の場合は市外の自治体と締結している②各自治体外に本社、または支店を有する民間等と締結している―協定等は827件あり、「官のみ」と締結している協定は125件、「民のみ」と締結しているのは689件、「官および民」と締結しているのは4件だった。
「民のみ」のうち、物流・物資に関する協定は346件で最も多く、「民間ノウハウを活用した支援物資物流」の課題に対しては、すべての都県・政令市で協定が締結されていることがわかった。