来年度は引越講習を春から開催 全ト協引越部会
全ト協は6日、東京・JR四ツ谷駅前の主婦会館エフプラザで引越部会を開催、25年の繁忙期実施事項を決めるとともに、来年3月にも国土交通省に標準引越運送約款の改正要望を行っていくことや、26年度開始予定の「引越事業者優良認定制度」の申請要件の一つとなっている引越管理者講習実施要領変更などを承認した。認定制度に伴い今年度は全47都道府県(一部ブロック開催)で引越管理者講習が開催されることとなり、受講者が昨年度の3倍約3千人へと大幅に増加する見通し。
今年の繁忙期実施事項は、業界統一キャッチフレーズを昨年に引き続き「チーム力こそプロの証し~一人ひとりのレベルアップを図って、よりよい作業品質を提供しよう~」とし、広報啓発活動を実施する。
同ト協が来年度から開始する引越事業者優良認定制度で、引越管理者講習者1人以上の在籍が申請要件となっていることから、本年度は「引越講習」ないし「引越管理者講習」の講習が昨年9月以降開催され、47都道府県で実施される予定。2月1日現在、受講者数は1961人でこれまでの受講者累計は1万887人となり1万人を突破した。今年度中の受講者は今後千人ほど増加し、約3千人になる見込み。25年度については優良認定制度スタートを控え、受講者が大幅に増加することが見込まれるため、全ト協では時期を大幅に早めるよう各ト協に要請、早いところでは5月にも開催する予定。
また、引越講習実施要領を3月1日付で一部改正することとした。
主な改正点は、◎制度名を「引越管理者講習制度」から「引越講習制度」に変更 ◎講習の受講対象を「都道府県トラック協会の推薦」から「一般貨物自動車運送事業の許可を受けた事業者」に変更 ◎実施主体を「都道府県トラック協会」から「全日本トラトラック協会」に変更 ◎「引越講習」を「引越基本講習」に変更、また「引越管理者講習」は変更しないが、3年以内に再受講することを追加 ◎講義の「引越運賃料金の制度と料金計算」から「料金計算」を削除 ◎対象講師を全ト協認定の者に限る-など。
一方、標準引越運送約款の改正要望については、昨年3月の東ト協からの要望を受け、引越部会の下にワーキンググループ(WG)を設置し、11月の第1回を皮切りに要望内容について検討、3月1日3回目の会合を開き、5月の引越部会総会に中間報告を提出する。その後さらにWGを12月までに3回ほど開催し、要望案をまとめる。翌年2月の部会総会で要望案の承認を受け、3月に国土交通省の約款改正について審議する約款改正評議会の開催を要望していく予定。
検討している主な改正要望事項は、◎「車両を貸し切ってする引越運送」に「積積み(混載便)による引越運送」を追加する ◎キャンセル料の引き上げ-など。
なおWGのメンバーは鈴木一末引越部会長を座長に事業者やトラック協会の7人の計8人で構成。