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2013年2月11日付 2461号

来年度は引越講習を春から開催  全ト協引越部会

 全ト協は6日、東京・JR四ツ谷駅前の主婦会館エフプラザで引越部会を開催、25年の繁忙期実施事項を決めるとともに、来年3月にも国土交通省に標準引越運送約款の改正要望を行っていくことや、26年度開始予定の「引越事業者優良認定制度」の申請要件の一つとなっている引越管理者講習実施要領変更などを承認した。認定制度に伴い今年度は全47都道府県(一部ブロック開催)で引越管理者講習が開催されることとなり、受講者が昨年度の3倍約3千人へと大幅に増加する見通し。

 今年の繁忙期実施事項は、業界統一キャッチフレーズを昨年に引き続き「チーム力こそプロの証し~一人ひとりのレベルアップを図って、よりよい作業品質を提供しよう~」とし、広報啓発活動を実施する。

 同ト協が来年度から開始する引越事業者優良認定制度で、引越管理者講習者1人以上の在籍が申請要件となっていることから、本年度は「引越講習」ないし「引越管理者講習」の講習が昨年9月以降開催され、47都道府県で実施される予定。2月1日現在、受講者数は1961人でこれまでの受講者累計は1万887人となり1万人を突破した。今年度中の受講者は今後千人ほど増加し、約3千人になる見込み。25年度については優良認定制度スタートを控え、受講者が大幅に増加することが見込まれるため、全ト協では時期を大幅に早めるよう各ト協に要請、早いところでは5月にも開催する予定。

 また、引越講習実施要領を3月1日付で一部改正することとした。
 主な改正点は、◎制度名を「引越管理者講習制度」から「引越講習制度」に変更 ◎講習の受講対象を「都道府県トラック協会の推薦」から「一般貨物自動車運送事業の許可を受けた事業者」に変更 ◎実施主体を「都道府県トラック協会」から「全日本トラトラック協会」に変更 ◎「引越講習」を「引越基本講習」に変更、また「引越管理者講習」は変更しないが、3年以内に再受講することを追加 ◎講義の「引越運賃料金の制度と料金計算」から「料金計算」を削除 ◎対象講師を全ト協認定の者に限る-など。

 一方、標準引越運送約款の改正要望については、昨年3月の東ト協からの要望を受け、引越部会の下にワーキンググループ(WG)を設置し、11月の第1回を皮切りに要望内容について検討、3月1日3回目の会合を開き、5月の引越部会総会に中間報告を提出する。その後さらにWGを12月までに3回ほど開催し、要望案をまとめる。翌年2月の部会総会で要望案の承認を受け、3月に国土交通省の約款改正について審議する約款改正評議会の開催を要望していく予定。

 検討している主な改正要望事項は、◎「車両を貸し切ってする引越運送」に「積積み(混載便)による引越運送」を追加する ◎キャンセル料の引き上げ-など。

 なおWGのメンバーは鈴木一末引越部会長を座長に事業者やトラック協会の7人の計8人で構成。

総合優勝に関西支社-第2回全国安全大会開く  ヤマト運輸労使

 ヤマト運輸(山内雅喜社長)とヤマト運輸労組(森下明利委員長)は5、6の両日、三重・鈴鹿市の鈴鹿サーキット交通教育センターで、第2回ヤマト運輸全国安全大会を開催した。①安全意識向上②運転技術向上③法令と安全運転実施のための知識向上-を目的に、それまで各支社単位で行っていたドライバーコンテストを、昨年から全国大会としたもの。今年は全国10支社から3人ずつの30人に加え、沖縄ヤマト運輸から1人の合計31人の選手が出場(うち女性2人)。2㌧MPバン、2㌧ウォークスルー、軽自動車の3部門に分かれ、学科、日常点検整備、運転実技を競った。

 学科試験のみ5日に行われ、翌6日に開会式、日常点検整備、運転実技が行われたが、6日には各支社からの応援者なども含め、約200人が参加した。開会式の冒頭にあいさつした山内社長は、「クロネコの運転が地域の安全運転の見本となれるよう、これからも頑張ってほしい。この場を糧にして、自分の職場でほかのドライバーの心技体を高めるため、推進役になってもらいたい」と参加選手に呼びかけた。続いてあいさつした森下委員長は、「安全運転への意識が薄れているときに事故は発生する。全国安全大会を開催するのが目的ではなく、労使で安全への意識を高めていくことが一番大事なこと」と大会の意義を強調し、安全運転への意識をもつよう訴えた。

 競技中に専門紙記者団と会見した山内社長は、全国安全大会の開催や、同社オリジナルの安全エコナビゲーションシステム『See-T NAVI(シーティーナビ)』の搭載の効果等から、事故件数が減少傾向にあることを説明。特に全国規模の大会となったことで、安全に対する意識向上の効果があがっていることを指摘した。一方で森下委員長は、「ドライバーは店を出ると1人。その1人が安全運転の意識をもっているかどうかが非常に重要。忙しさに負けないよう、意識づけさせることが大事」と語った。さらに両者は共通して、支社ごとに実施している安全大会を、しっかり実施することの重要性を指摘した。

 表彰は次のとおりに、各部門の3位~1位、全部門総合優勝支社に対して行われた。総合優勝の関西支社は、出場全選手が表彰を受けた。また、初参加となる沖縄ヤマト運輸の大城選手は、部門2位と健闘した。部門表彰者は、所属・選手名の順。敬称略。

 【2㌧MPバン】
 ◎優勝=四国支社高知主管支店高知中芸センター・松本順二◎2位=沖縄ヤマト運輸沖縄主管支店小那覇センター・大城英雄◎3位=関西支社北大阪主管支店八尾志紀センター・木村徳宏

 【ウォークスルー】
 ◎優勝=関西支社西大阪主管支店豊中宮山町センター・坂坪大輔◎2位=中部支社愛知主管支店小牧川西センター・大嶋達郎◎3位=関東支社茨城主管支店茨城物流システム支店・赤津正裕

 【軽自動車】
 ◎優勝=関西支社奈良主管支店いちのもとセンター・藪下宏之◎2位=東京支社東京主管支店大塚5丁目センター・長竹寛行◎3位=北海道支社札幌宮の沢センター・沼田充広

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ『「春運」からみた中国の消費者物流』
    ☆人物ウィークリー、東ト協多摩支部長(光運輸㈱社長)・星信久氏

  • ☆赤帽、営業子会社を合併し㈱全国赤帽に一元化
    ☆全日通、中央委開催し春闘方針決める
    ☆埼玉ト協、災害医療チーム登録医療機関3病院に車両寄贈

今週のユソー編集室

  • ▼チェコのゲーム開発会社が製作した「ユーロトラックシミュレーター2」なるゲームの日本語ダウンロード版が、8日に配信開始となった。
    ▼トレーラーのドライビングシミュレーターゲームで、プレイヤーは欧州11ヵ国を舞台に、さまざまな貨物を運び、自身のレベルを上げることで、危険物や精密機器、時間指定や運送長距離化など、受注できる仕事も増えていく。また、報酬を貯めていくことで、簡単な経営も経験できるという。
    ▼すでに動画閲覧サイトに体験版のプレイ画面が投稿されているが、たかがゲームとあなどるなかれ。トラックはもとより風景も丹念に描き込まれており、単純に楽しそうである。
    ▼驚くのはこのゲームが続編であるという事実だ。人の嗜好が洋の東西を問わないなら、日本でもトラックの運転・経営はゲームになるはずだが、一方でそういうゲームが発売されそうな気がしないのは、やはり社会的地位の問題なのだろうか。

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