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2013年1月28日付 2459号

25年度税制改正大綱に自動車取得税の廃止など盛り込まれる  自民・公明両党

 自民党と公明党は24日、平成25年度税制改正大綱を決めた。自動車の車体課税については、自動車取得税を消費税10%時点で廃止、自動車重量税については、「26年度税制改正で具体的な結論を得る」とした上で、道路の維持管理や更新等のための財源とすることを明記した。

 同日会見した自民党の野田毅税制調査会長は大綱について、緊急経済対策や消費増税への対応を念頭に、円高対策や環境対策、研究開発の促進などを軸に仕上げたと説明。その上で、自動車重量税について、「道路の維持・管理、更新等のための財源として位置付け、自動車ユーザーに還元されるものであることを明らかにする方向で見直しを行う」と記したことは、課税根拠を示したものであるとし、一部報道にあるような「特定財源ではないか」との批判はあたらないとの考えを強調した。

 大綱では自動車取得税について、財源を確保して地方財政への影響を抑えることを前提に、消費税8%時点でエコカー減税の拡充などを実施、10%時点で廃止する「2段階引き下げ」を行う方向性を示したが、具体的な結論は26年度税制改正で得ることとした。自動車重量税については、「エコカー減税制度の基本構造を恒久化する」とした上で、消費税8%段階では燃費性能等による軽減措置を実施し、中長期的には環境性能に応じた課税を行う方向で検討を進める。

 また、車両重量等に応じて課税され、道路損壊と密接に関係していることから、自動車重量税を道路の維持管理・更新等のための財源として位置付ける方向で見直しを行うこととし、原因者・受益者負担の考え方をあらためて盛り込んだ。

 車体課税以外では、消費税引き上げに関する転嫁対策について、中小事業者から不安の声が多く寄せ入られているとし、「強力な実効性のある転嫁対策を実現する」との文言を盛り込んだ。

 物流関係の税制特例では、物流効率化法の所得税・法人税の割増償却制度、固定資産税・都市計画税の軽減措置を一部見直した上で2年間延長する。

東京・御茶ノ水の超大型複合施設の館内物流受託  コラボデリバリー

 全国物流ネットワーク協会(全流協、瀬戸薫会長)の会員事業者が共同出資するコラボデリバリー㈱(有富慶二社長)は、東京のJR御茶ノ水駅前に2、3月竣工しオープンする超高層ビル内の館内共同集配送事業を受託、業務を開始することとなり、23日、東京・銀座の京橋プラザで業務内容についての運送事業者説明会=写真右=を開催した。

 さいたま新都心や東京・吉祥寺商店街地域での共同集配事業、東京・西新宿にある超高層ビルの住友ビル、新宿パークタワー、そして恵比寿ガーデンプレイスの館内共同集配送事業に続く物流受託業務となるが、さらに、東京・京橋に3月オープン予定の大型複合ビル・東京スクエアガーデンの館内集配送業務も受託しており、同社の業容が大きく拡大する。

 今回、受託したビル(施設)は千代田区神田淡路町の「ワテラス」と、千代田区田駿河台の「御茶ノ水ソラシティ」。

 ワテラスは、オフィス棟と住戸棟が合体した特異な超大型複合施設。地上41階・地下3階・塔屋1階で、コミュニティ施設に4~19階がオフィス階、20~41階が住戸階(333戸)のタワー棟と、地上15階・地下2階・塔屋1階で、スーパーや病院、学生寮などが入るアネックス棟からなる。敷地面積は1万416平方㍍、延べ床面積12万9220平方㍍の規模。
2月26日竣工予定で、コラボデリバリーは3月1日に地下駐車場エリアに事業所・ワテラス店(デリバリーセンター)を開設する予定。営業時間はオフィス関係が月~金曜日の平日午前7時半から午後8時まで。住戸関係は年中無休で午前7時半から午後9時まで営業する。

 また御茶ノ水ソラシティは地上23階・地下2階・塔屋2階で、6~23階がオフィス階、5階から下の階に大学等教育関連施設、店舗などが入る。敷地面積は9547平方㍍、延べ床面積10万2137平方㍍の規模。
 こちらは3月15日竣工の予定で、コラボデリバリーは翌16日に地下駐車場スペースに事業所・ソラシティ店(デリバリーセンター)を開設する予定。営業時間は月~金曜日の平日午前7時半から午後8時まで。

 施設全体のセキュリティ強化の面から、コラボデリバリーでは施設管理の一部業務を受託。両施設の受け付け、管内共同集配送業務、テナント・住宅階個人等の入退去移転・引越関係全般の取次業務を行う。テナント等宛ての貨物をデリバリーセンターで一括荷受けし、各運送業者に代わって速やかに宛先に配達。またテナント等から出荷される貨物を、テナント等が指定した運送事業者に代わり、テナント等が希望する時間帯に集荷し、デリバリーセンターで指定の各運送事業者に引き渡す。

 取扱品目は、一般路線便、一般宅配便、クール宅配便、国際宅配便、メール便、ゆうパック、時間指定便、一般航空便、国際航空便、バイク便、代引き便、その他荷受け可能と判断した商品を対象とし、現金や標準約款に定める取り扱い対象除外貨物等は取り扱わない。取扱手数料(税別)は宅配便・路線便が3辺サイズ170㌢㍍・30㌔㌘までで、全流協会員が1個90円、非会員が100円。メール便は3辺サイズ70㌢・厚さ2㌢・重量1㌔㌘までで、配達が1冊15円、集荷が10円。代引手数料は一律1件300円、住戸の各便は集配ともに1個130円。これらよりも大きい貨物は別途協議するとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆運輸・交通両労連トップに聞く『2013年春闘展望』

  • ☆国交省新物流施策大綱検討委、物流に”つけ”の商慣行解消を
    ☆センコー、カザフスタンでコンビニ物流開始
    ☆佐川急便、大阪市内でも宅配便の24時間電話集荷受け付け開始

今週のユソー編集室

  • ▼先週の物流業界では、運輸・交通の両労連が相次いで中央委員会を開催し、春闘方針を決めた。本号の5面には、両労連のトップによる春闘展望を掲載している。
    ▼政権交代で景気に明るい兆しも見えるなか、インフレが賃上げにつながらなければ意味がない。物価が上がり賃金が減少を続けるスタグフレーションにつなげないよう、政府にはしっかりしたかじ取りを願いたい。
    ▼21日に春闘方針を発表した経団連では、宮原耕治会長が政府の施策に期待感を示す一方で、企業の存続と雇用最優先の考え方を打ち出し、ベアは論外、定昇の凍結・延期もあり得るという内容だった。
    ▼為替は先週末の段階で1㌦80円台後半を推移し、2010年夏ごろの水準まで回復している。トラック輸送業界にとって円安になるということは、すなわち燃油費が上がるということを意味しており、短期的には企業経営を圧迫する。一刻も早い景気回復と物量増を期待したい。

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